456: おさかなくわえた名無しさん 04/10/23 23:33:05 ID:jIjUwIis

電車の中でのできごと。車内がガラガラだったせいか、若い男が優先席に 
座っていた。そいつは端から見ても疲労の固まりというか、もう、がっくりと 
うなだれるように寝ていた。 

しばらくしてターミナル駅を過ぎた頃から混み出して、とうとう車内は満席に。 
そこに運悪くというかタイミングよくというか、老人(おそらくは痴呆)の団体が 
引率の人と一緒に乗ってきた。とうぜんのように優先席へ向かうが、そこには 
例の男が寝ていた。 

引率の人が男の肩を叩き、「すみませんが、この人に席を譲ってもらえません
でしょうか?」ととても丁寧に頼むと、その男は「 俺だって徹夜の仕事明けで
疲れてんですよ。勘弁してよ」と譲らない。それでも引率の人は「でも、こちらの
お婆ちゃん、脚が不自由で」とゆずらない。男がキレ気味に「そんなの知り
ませんよ! 俺だってもうぶっ倒れそうなんだから」と言うと、近くで立っていた
50歳くらいの男忄生がつかつかと歩み寄り、その男の襟首を掴んで立たせると、
「あんた、いい加減にしろよ」と凄んだ。その迫力に男は何も言えず、ちょうど
停まった駅で下りていった。

でも、バツが悪かったので、電車を降りる前に、俺は振り向いて「徹夜続きで
疲れてたもんで、すみませんでした」と謝りましたよ。ええ。


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