929: 1 2013/05/17 13:42:43
凄い長いです、すみません。


母方の実家は江戸初期からある家で、大きな蔵がある。
全くもって金持ちではないんだが、古文書の類いは多い。
私はそういった古文書を取り扱う仕事をしている。
なので、ある日じっちゃんばっちゃんに呼ばれて
養子縁組を持ちかけられた。
蔵の中の物丸っと相続して、好きなように調べて欲しいと。
その為には養子にはいるのが望ましいからと。
私は独身で末娘だし名字が変わる他には変化は無いし、
いずれ整理したいと思っていたので了承した。
両親も親戚からも特に文句は出なかった。
ガタガタ言ってきたのは兄嫁だ。

なんで長男を差し置いて妹が先の相続するのか、
何をいくら貰うのか、ごちゃごちゃしつこく聞いてきた。
怒鳴ったり暴れたりは無いんだけど、ネチネチうるさい。
その度に説明したが、お宝があるんじゃない?
もしお宝が出たらどうするの?ちゃんと書面にしないと、
と言ってきた。いわゆるお宝なんて多分出ない、
ここにあるのは貴重な郷土資料だから、まとめて
地元の博物館に寄託する予定、儲けにはならないですよ、
と言ってお帰りいただいた。
兄は「言わせてやって~無視していいから」とのらりくらり
お金には困ってない筈だから、単にガメツいんだろうな。
自分の権利が侵害される事には声を上げないと!ってのが
兄嫁の持論らしい。

930: 2 2013/05/17 13:46:02
蔵がある土地まるごと相続という形なので、誤解したのかもしれない。
とりあえずその後は大人しくなって、私は蔵の整理に勤しんでいた。
ある週末に知らない女性がやってきて、うちの前でウロウロしている。
しばらくするともう一人同じような女性が。こっち見てる。
気にしないで蔵の中にいたら、兄嫁がその女性達を含む7人位で
中に入ってきた。奥にいる私に気付いてないみたいで、
なんか勝手に案内し始めた。慌てて出て行って、なんですか?
と聞いたら、その女性達は歴女で、この辺が好きなんだと言う。
ここらは幕末関連の史跡や出身者が多い地方ではあるんだが、
そこの郷土資料がある古い蔵を自由に見学出来ます撮影会可です、
って勝手に募集かけてたらしい。侍のコスプレをした女性もいた。
ポカーンとする私を無視して歴女達がなんか始めちゃって、
まあ土蔵で写真撮るくらいは良いけど物に触って貰っちゃ困る。
分類してあった古文書を勝手に広げて
「これ、何年頃の〇〇さんの書ですね?分かります」とか言ってくる
全然違うしなんか気持ち悪い
とりあえず私が所有者且つ責任者で、許可を出していないと言って
出て行ってもらった。兄嫁は歴女達からお金を取っていたようで、
外で揉めていた。結局歴女の交通費&貰ったお金を返したようだ。
「本来なら所有者であるあなたが払うお金だったのよ?」
「ここから町おこしに協力してあげようと思ったのに…」
「幕末扮装の聖地にすればサイドビジネス可能よ?」
とかなんとか言われたけど全てに於いて
「頼んでません。関わらないでください。」で通した。

931: 3 2013/05/17 13:48:26
兄はプレゼントもって謝りにきたけど、両親&爺婆が
「もうあの嫁さんはこっちに来させるな」と言っていた。
兄嫁は「孫の顔が見れなくなってもいいんですか?」って
憤慨していたそうだけどこっちは孫やらひ孫やらわらわらいる
一人くらい来なくなっても誰も気にしない…。
兄嫁はそれを知って「孫が可愛く無いなんて、鉄の心ですね」
って言ってきたけど爺婆が「曾孫は可愛いしいつでも会いたい。
あんたが会わせてくれないんじゃろ?酷いの~鉄の心じゃの~」
と返されていた。家庭内でしばらく鉄の心が流行った

その後、コスプレした歴女がやってきて、ここで働きたい、
弟子にして欲しいと言われたりして面倒臭かったので
兄の携帯を教えて、この人と話し合ってくださいねーと伝えた
その歴女は程々に頭オカシイ人だったので、
兄はようやく「勝手に自分の個人情報を流される」迷惑に
気付いたらしく(兄嫁はうちの実家の住所など歴女に伝えていた)
夫婦喧嘩になったそうだ。

翌お正月に兄夫婦が来て爺婆両親私に謝罪。
兄嫁は「ここは私が折れざるを得ないでしょうね」と言っていた。
とりあえずそれで冠婚葬祭位は付き合おう、となったんだけど
夕方に兄嫁が勝手に蔵に入って閉じ込められた、と、思い込んだ。
蔵の入り口って留め具をしないと勝手に閉まっちゃうんだよね。
で、一度閉まると中からは開け辛かったりする。
頑張れば普通に開くんだけど、冬の夕方で寒くて暗くて
パニックになった兄嫁は手当り次第に物を壊して音を立てて
助けを呼んだ。伯父さんが気付いてドアを開けたが中はグチャグチャ
兄嫁は「緊急の場合の対応を私が知っていたので助かった、
蔵の中よりドアをリフォームする方が先でしょう」とか言ってきた。

932: 4 2013/05/17 13:50:28
まず、ドアは普通に開くこと。そして兄嫁が破壊した品物こそ
貴重な物だった事、そもそも何故勝手に入ったのか。と言った。
兄嫁の答えは

私 が 検 分 し て あ げ よ う と 思 っ た 

そうです。壊した分は、人命には換えられないでしょう?だって。
それが価値ある物だったと説明すると、溜め息をついて
「…やっぱりお宝はあったんですね?これだから、もう…。
まあ、悪事はこうしてバレる訳ですよね。自業自得ですよ」
兄嫁はその場で返されて、二度と家の敷居をまたがない事に。
兄と兄子は一泊して、両親と色々話していたようだった。

兄嫁からメールで
「今回の件はもう良いです。これからの関係を考えましょう」
みたいなのが来たので
「私はあなたのご希望通りには振る舞えません。
あなたとはだいぶ考え方が違うようです。
それを超えて仲良くしたいとも全く思いません。
今後は一切のおつきあいをお断りいたします。
あなたはどうぞ、他でご活動なさってください。さようなら」
と返信しておいた
兄嫁は兄が帰宅してからそのメールを見せて文句を言ったそうだ
兄が「妹や実家との復縁は無理だ。お前とあっちとの関係はもう終わった。
どうしようもない。文句を言う筋合いでもない。」と言ったそうだ

933: 5 2013/05/17 13:52:13
その後、うちに兄嫁から長い手紙が来て、要約すると
・独身の妹ちゃんの面倒を見るのはけっきょくうちなんだから、
もうちょっと弁えた態度を取って欲しかった。
・それを夫に言うと、向こうは人が多いから、
こっちに何かしろとは言わないだろう、と言われた
・確かにそちらは田舎で子供も多いかもしれないが、
都会では出産した女性と言うのは尊敬の対象である
・現に私の実家での私の扱いは素晴らしいものである
・だからもっと私を優遇して欲しかった
・私が来た時くらい、そうしてくれてもよかったんじゃないか、
私の子供が一番だと言って欲しかった
・そうした不満が溜まり信頼感が薄れていた
・そのせいで夫婦の関係にも溝が入った
・ついてはそちらから夫君に謝るように言って欲しい

で、文末に母音が押してあった。三つあったけど誰のだろ…。
兄にそのまま手紙を渡した。絶句していた。
でも兄は離婚しなかった。子供が居るし、自分には良い妻だからと
その後兄子が不登校になって(マラソンが嫌だかららしい…)
その件で兄嫁再び火が付き、担任の先生や校長、ご近所に
変な手紙を送ってしまったらしく、村八分状態
子供と二人でマンションに引き込もって暮らしているそうだ。
妹として兄の幸せを祈る…。

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